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あれから8年…。どこまで進んだのだろう
"脳死移植"の現状と問題点とは?



 8年前、「臓器移植法」が施行され、最初の"脳死移植"の時は、日本中がそ
の話題で持ちきりでした。その後、"臓器移植の世界"はどうなっているのか?


【"臓器移植"の歴史to流れ】

 8年経って、ある程度、落ち着いたのか?最近はそんなに大きく"脳死移植"
の報道を目にしたり、耳にしたりすることは少なくなりました。しかし、日夜、
苦しむ患者のために、"臓器移植"は続けられています。

 「それでは、世界で初の"臓器移植"とは、いつ頃?誰が?行ったのか?」

 それは・・・

 ヒトからヒトという意味では、1936(昭和11)年に行われたウクライナ
のボロノイ医師による「腎臓移植」が、世界で最初であると言えます。その前
までは、犬、羊、豚、猫などの動物を使っての腎臓移植がほとんどでした。

 その後・・・

 1963(昭和38)年に、アメリカのスターツル医師が、世界で初めての"肝
臓移植"。同じ年に、"肺移植"の第一例、1966年に、最初の"膵臓移植"が行
われました。

 初めての"心臓移植"については、1967(昭和42)年に、南アフリカのバ
ーナード医師の執刀により、手術が行われました。だが、最初の頃の"臓器移
植"は、*生着率も、**生存率も、非常に低いものでした。

 *生着率…移植された臓器が機能し続ける割合

**生存率…移植を受けた患者が生き続ける割合

 この生着率や生存率が、改善され始めたのが、「シクロスポリン」という免
疫抑制剤が発見、開発され、1983(昭和61)年頃より、"臓器移植"の時に
も、使われ出してから。これは"ノルウェーの土壌真菌"から抽出されました。

 しかし、使い方に"繊細さ"を要求されるのと、腎障害や肝障害などの副作用
が生じることもあったので、1993年頃からは、日本で開発された「タクロ
リムス」という、より効果や安全性が高い免疫抑制剤に切り替わりました。
 

 一方、日本での"臓器移植"の歴史は…

 1956年(昭和31)年に、新潟大の楠教授が、日本初の"腎臓移植"(死体)
を施術。次に1964(昭和39)年、東大の木本教授により、"生体腎移植"が
初めて、行われた。

 同年、千葉大の中山教授により、初の"死体肝移植"も施術。1989(平成元
)年に、島根医大の永末教授により、"生体部分肝移植"の施術が、日本で、初め
て行われた。


 日本で初めて"心臓移植"が行われたのは、世界初のわずか1年後、1968
(昭和43)年に、札幌医大の和田教授によって、執刀された。患者は、83日
後に死亡した。

 この和田教授の件があるまでは、日本は決して、"臓器移植"に対して、世界
から遅れていたわけではなかった。むしろ、世界をリードする立場にあったと
も言える。この"心臓移植"は、その後の日本の"臓器移植"に暗い影を落とした。

 その理由とは・・・

 この患者の死後、ドナー(臓器提供者)の"脳死判定"の基準やレシピエント(臓
器提供を受ける患者)の移植適応の有無などを巡る疑惑が指摘され、和田教授は、
殺人罪で告発される。結局は、証拠不十分で、不起訴にはなるのだが…。

 この事件が招いた大きな"医療不信"により、日本では、"臓器移植"、特に、
"脳死移植"に対する懸念が、非常に強くなってしまった。この結果、脳死を前
提とする心臓・肝臓移植は、行われず、生体間の腎臓移植だけが施術された。

 和田教授の事件は、日本の"脳死移植"を「10年は遅らせた」と言っても、
決して、過言ではないだろう。40年近く経った現在でも、その時の不信感は
拭われていないのである。

 それが証拠に、"脳死移植"が可能になる「臓器移植法」や「日本臓器移植ネ
ットワーク」が出来たのは、1997(平成9)年である。何と、和田事件から、
約30年も、待たなければならなかった。


 「それから、現在までの"脳死移植"実績というのは、どれくらいか?」


【日本での"脳死移植"実績簿】

 1997(平成9)年10月から「臓器移植法」が施行されたが、実際に最初
の"脳死移植"が行われたのは、約1年半後の1999(平成11)年2月。それ
から、現在(2005.3)までの実績は、『36例』[6例/年]である。

 生体腎移植が、年間700件前後、献腎移植(心臓停止後の腎臓移植)でも、
200件弱、生体肝移植が、年間500件以上行われている実情を見ると、ま
だまだ、"脳死移植"実績は少ないと言える。

 この少し頼りない実績から、待つことの出来ない患者達は、生体移植の道を
選ぶ。実際に、生体腎移植や生体肝移植は、年々、増加傾向にある。医療が停
滞しても、患者達には、時間がないのである。

 それじゃ、

  「貴重な"脳死移植"実績である『36例』の臓器別の内訳とは?」
        (右側は、年別の"脳死移植"実績)
───────────────────────────────────
   ○心臓・・・27例       □1999年・・・4例

   ○肝臓・・・25例       □2000年・・・5例

   ○腎臓・・・41例       □2001年・・・8例

   ○ 肺・・・20例       □2002年・・・6例

   ○膵臓・・・18例       □2003年・・・3例

   ○小腸・・・ 1例       □2004年・・・5例

   ○角膜・・・ 1例       □2005年・・・5例(3月現在)
───────────────────────────────────
    総計  133例               36例
─────────────────────────────────── 
*何故、総計が『36例』を超えるのか?というと、臓器提供を使用とするド
ナーは、ほとんどの場合、複数の臓器提供の意思表示を"ドナーカード"にして
いるためである(私も、"全ての臓器を提供"としている)。特に、腎臓などは、
同時移植に供されることが多い。
───────────────────────────────────

      「なかなか増えない理由は、何が問題なのか?」


【"脳死の定義"が問題?】

 日本では、"脳死"が2つ存在するから、ややこしいのだ。先ず1つは「臓器
移植法」の中にある。それは『本人が、臓器提供を書面で希望している時のみ、
"脳死"を人の死とする』(つまり、それ以外の人は、心停止が死ということ)。

 もう1つは、日本救急医学会が示している見解。『"脳死"は死であり、これ
は社会的、倫理的問題とは、無関係であり、医学的事象である』というもの。
言わば、"臓器移植"の最前線にいる人達と法律の解釈が違うということだ。

     「それじゃ、"脳死"って、どういうもんなんだ?」

 日本では、次のように考えられている。「脳幹を含む、全脳髄の不可逆的(元
に戻らない)な機能消失="全脳死"」の事。この"全脳死"になると、約半数は、
2〜3日で、心停止に至る(平均4.3日)。通常は1週間で、ほぼ70〜80
%が心停止に至る。

         「"植物状態"とは、どう違うの?」

 "植物状態"とは、大脳の機能が働かない状態、または、それに近い状態にな
っている。しかし、"脳死状態"と異なるのは、自発呼吸を司る呼吸中枢のある
脳幹部が、完全に生きていて、人間が生存するために必要な呼吸機能、循環系
のコントロールなどが、正常か正常に近い状態で働いていることである。

          「これがやっぱり、死なのか?」 

 "心臓死"=「心拍と呼吸の不可逆的停止は、患者の全体としての死を意味す
る」。日本では、"脳死"という概念が取り入れられた現在でも、多くの人は、
"死=心臓死"だと思っている。これは、人間としての倫理的な問題もあり、払
拭するのは、なかなか困難な事である。

       「"脳死の判定"は、どのように行われるの?」

 これは、3つの要素で構成される。1=1985(昭和63)年に、定められ
た「厚生省・脳死判定基準(竹内基準)→前提条件」。2=「除外例」。3=「
判定基準(判定のための諸検査)」である。
───────────────────────────────────
●「厚生省・脳死判定基準(竹内基準)→前提条件」
───────────────────────────────────
 1.器質的に、脳が障害されている。

 2.深昏睡・無呼吸である。

 3.脳障害の原因が、確実に診断されている。

 4.適切な治療を持ってしても、回復不能である。
───────────────────────────────────
*これでは、確かに、余りにも抽象的である。
───────────────────────────────────
●除外例
───────────────────────────────────
 1.6歳未満の小児は、除外される。

 2.薬物中毒、32℃以下の低体温、代謝・内分泌障害などの症例では、"
   脳死"と紛らわしい状態になることもあるので、脳死の診断から除外。
───────────────────────────────────
*2000年に、「6歳未満の小児の脳死判定基準」が出された。検査項目は、
 成人と同じで、2回判定するが、24時間以上あいだを置く。生後12週未
 満は対象外とするというものだった。

 しかし、一部の専門医が、「科学的根拠とデータに乏しい」と日本脳死・脳
 蘇生学会で、反論をする。
───────────────────────────────────
●判定基準(判定のための諸検査)
───────────────────────────────────
 1.痛みにも、刺激にも反応しない「深昏睡」

 2.脳幹の機能を反映する「自発呼吸」が、完全に停止している。

 3.「瞳孔」が固定している。

 4.すべての「脳幹の反応」が、消失している。

 5.「脳波」が、平坦である。
───────────────────────────────────
*1回目の脳死判定→6時間後、あるいは、6時間以降→2回目の判定
 
 1回目の判定を行い→医師2名が、確認の署名

 2回目の判定を行い→医師2名が、確認の署名

 1,2回目の判定を見て→医師2名が、総合判定をし、署名
                    ↓
              「"脳死診断"が、確定される」
───────────────────────────────────


「厳しい判定を経た上で、決定される"脳死"。だが、移植には、ネットワーク、

治療、倫理などあらゆるところに、問題は潜んでいた…それは、次号に続く」


 **正しいのか正しくないのか・・・→ http://tinyurl.com/ylal5u

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