毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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法施行後、露呈した"脳死移植2"
ネットワークの問題点とは何か?待つ人々



「臨床的脳死」が確認された。その後、"脳死による臓器移植"は、どのように
行なわれているのだろうか?基本的な流れとそこに潜む問題点と現状を探る。


【"脳死移植"の基本的な流れ】

 ところで、最近、"脳死による臓器移植"をマスコミで報道されることが、少
なくなったと思わないだろうか?それもそのはずで、5例目以降、"ドナーのプ
ライバシー保護"を最優先し、報道管制が敷かれるようになったのだ。

 確かに、最初の頃の報道はやり過ぎだと、私自身も思っていた。車やヘリコ
プターまで総動員し、目的の救急車を追い掛けていたからだ。ドナーやレシピ
エント、その家族のプライバシーなどお構いなしに…。

  「"脳死移植"に関しては、これからも報道管制をすべきだと考える」

 でも、"脳死移植"の基本的な流れくらいは、押さえておきたい。脳死後、ド
ナーの臓器がどういう流れで、レシピエントに届くのか?その間の各施設の動
き、医師の動き、関係者の動きなどを追ってみたいと思う。
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        [ドナー(臓器提供者)側の流れ〜救急施設]
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1.脳死の疑いのある患者発生(救急施設にて)
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  "救急施設"というのは、「臓器提供候補者の発生した施設」のことである。
  脳死下での臓器摘出が可能な提供施設は、大学病院、日本救急医学会指導
  医指定施設、日本脳神経外科学会の定める専門医訓練施設、救急救命セン
  ターなどで、全国に約400病院、指定されています。
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2.臨床的脳死診断
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  先週、取り上げた"脳死判定基準"(竹内基準)に従い、行なわれます。
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3.意思表示
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  ドナーカードの有無。ドナーカードによる、本人の意思と内容確認。ある
  いは、家族側からの自発的な臓器提供の申し出によるもの。
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4.移植コーディネーターとの面会希望(家族)
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  脳死下での臓器移植を取り仕切っているのが、「社団法人・日本臓器移植
  ネットワーク」という公的な組織です。ここに連絡を取り、派遣されるの
  が、"移植コーディネーター"です。

  "移植コーディネーター"の役割は、「ドナーの意思確認と家族の承諾を得
  る」「移植に関わる必要書類の作成」「検査の手配」「レシピエントの選
  択」「移植施設へ待機連絡」など多岐に渡る上、全て、迅速に行なわなけ
  ればなりません。

  その後も、「レシピエントの術後の経過を把握」「ドナー家族に対する報
  告と精神的ケア」「レシピエントからドナー家族への感謝の手紙を橋渡し」
  するなど、"脳死移植"には、欠かせない存在です。

  現在、専任の"移植コーディネーター"は、全国で約20名ほどです。  
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5.移植コーディネーターによる説明
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  "移植コーディネーター"が、ドナー家族の心情に配慮し、これから行なわ
  れるであろう"脳死移植"に関して、「家族が知りたいこと」「家族に伝え
  ておくべき事」などについて、充分に説明を施す。
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6.脳死判定に従うことと臓器提供の承諾、ドナーの医学的検査
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  "移植コーディネーター"により、ドナー家族から、脳死判定と臓器提供に
  関する承諾をもらう。それに従い、「医師による脳死判定の諸検査」が、
  開始される。この段階で、レシピエントの選択も行なわれます。
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7.法による脳死判定
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 「医師による脳死判定の諸検査」の結果、法的にも"脳死"と判断される。
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8.提供可否の医学的判断
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  臓器が提供出来ない場合 → ●全身性の活動性感染症

                ●エイズウィルス、白血病ウィルス、B型
                 肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス保持者
                 
                ●クロイツフェルト・ヤコブ病、及び、そ
                 の疑い

                ●悪性腫瘍=癌(原発性脳腫瘍、及び、治癒
                 したと考えられるものを除く)

  *上記は各臓器共通。その他、臓器によって、適応基準が決められている。
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9.臓器摘出
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  ドナーから臓器を摘出し、指定病院まで、搬送、移植、血流再開までに許
  される時間は、それぞれの臓器で異なります。

  心臓…4時間、肺…8時間、肝臓…12時間、小腸…12時間、

  腎臓…48時間

  "適合条件"として、「時間を考慮し、確実に搬送できる範囲の移植施設」、
  「血液型が、ドナーと一致するか、または、適合する」こと。「規定の抗
  体反応に問題がない」こと。「サイズ的(体重、大きさ)に、合う」こと。
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      [レシピエント(臓器移植希望者)側の流れ〜移植施設]
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1.患者が移植を希望
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  "移植施設"の中で、"高度先進医療"が適応されている病院。

  ○肝臓移植…北海道大学、東北大学、信州大学、京都大学、九州大学

  ○心臓移植…国立循環器センター、大阪大学

  ○ 肺移植…東北大学、大阪大学

  ○膵臓移植…大阪大学、九州大学

  *大阪大学に比べて、東京大学が、一つも入っていませんねぇ〜。
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2.検査、インフォームド・コンセント
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  移植施設で、レシピエントに対する検査、および、医師によるインフォー
  ムド・コンセントが施される。
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3.適応評価
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  上記の検査を判断基準として、検討委員会で、「移植の適否」が判定され
  る。これが、"適"と判定されると、(社)日本臓器移植ネットワークに、レ
  シピエントとして、登録することが、出来る。
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4.レシピエントに連絡
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  ネットワークに登録後、レシピエントに選ばれると、"移植コーディネータ
  ー"より、連絡が入る。待機中の間も、意思の確認は、随時、行なわれる。

 [待機人数] 心臓…73人、心肺同時…3人、肺…102人、肝臓…86人

       腎臓…11,995人、膵腎同時…103人、膵臓…14人
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                        計  12,376人
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5.診察、最終のインフォームド・コンセント
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  もう一度、レシピエントを診察した上で、主治医から、説明と意思を確認
  するため、最終の"インフォームド・コンセント"を施す。この後、救急施
  設に、摘出チームを派遣し、移植の準備に掛かる。
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6.移植手術
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  救急施設より、臓器が搬送されると、迅速に、移植手術が開始される。
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7.術後ケア
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  医療的なケアについては、医師や看護師が行ない、精神的なケアについて
  "移植コーディネーター"が、担当する。
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「この一見、スムーズと思われる"ネットワーク"のどこに問題があるのか?」


【救急施設の"本末転倒"な行為?】

 本来であれば、"救急施設の役割"というのは、「患者を救う」ことにあるは
ずだ。しかし、"臓器提供施設"にも、指定されたことにより、患者の命を救う
より、臓器提供の方にも、意識が分散されてしまう。

 指定されていなかった時なら、諦めていない状態でも、臓器のダメージが少
ない内になどということが、頭をもたげ、目の前にいる患者の治療に集中出来
ないというケースも、充分考えられる。

 実際、最初に"脳死移植"を行なった病院では、「日本で最初」という名誉を
得たいがために、助けてやろうとする治療より、既に、臓器移植を踏まえた脳
死の方に意識が移っていたと院長や医師などが、発言している。

    「この行為が、"本末転倒"でないと言い切れるだろうか?」

 ただ、実際の医師の気持ちになると、この辺の気持ちの切り替えやコントロ
ールは、非常に難しいものだと思われる。救命救急に携わるほとんどの医師が、
第一に、「命を救う」ことに集中していると考えたい。

 しかし、今のネットワークに組み込まれた現状では、早めに「脳死」という
選択をせざろう得ない場合もある。医療のそういうデリケートな部分をも含め
て、現在は、報道管制を敷いているのだと思う。

 確かに、「臓器移植に反対する立場の人」からすると、この部分が、不透明
になり、情報公開されていないと言うのだろう。だが、名誉ばかりを求める医
師ばかりだと、決め付けないで欲しい。

 つまり、迅速で、的確な対応が迫られる救急救命の現場では、瞬時の判断で、
「治療続行」および「脳死判定」がなされるということだ。その判断について、
相当な落ち度がない限り、我々が意見出来るものではないと思うが…。

 私も、相反する現場に、ジレンマを覚えるが、"脳死移植"という医療の性格
上、救急施設が、携わらない訳には、いかない。この2つを分離することも、
無理である。この事情に、現場の医師が慣れるしかないのか?う〜ん。

 今後、"脳死移植"により、救われる命は、増えていくだろう。これまでに、
臓器移植を受けた患者は、提供された臓器を「命の贈り物」と呼び、新しい命
をもたらしてくれたドナーに対して、感謝の念を忘れることがないと言う。

 また、ドナーの遺族は、愛おしい肉親の臓器が、誰かの体の中で、生き続け、
その人の命を助けるのに、役だったことに、大きな慰めを感じているだろう。
だから、臓器を提供することを、"一つの人間愛"と考えたらどうだろうか。

 少し、くさくなってしまったが、私は、心からそう思う。提供された臓器で、
生きられるものなら、生きて欲しい。以前は、募金まで集めて、海外で移植す
るのを、懐疑的に思っていたが、命はやはり尊いものであると考え直した。


「臓器移植を反対する人々に、"代替案"はあるのだろうか?

 その臓器を待っている約13,000の人達に、一体何というのか??」


  **貴方の判断はどうなのか・・・→ http://tinyurl.com/ylal5u

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