毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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やさしく読み解く入門」


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何故、医療訴訟が起こってしまったのか?


 夏は「冷夏」だったのに、最近になって、"夏"を取り戻している札幌です。

 私は、独り暮らしのせいもあり、ホカ弁(ほっともっと)を良く利用します。

 半年くらい前からは・・・

 「エコの観点」というより、袋を一度で捨てるのが、もったいないから、

 一枚の袋を、来店する度に、再利用しています(少しよれてきましたが…)。

 もう一つ気になったのが・・・

 私は、よく"幕の内弁当"を注文するのですが、付いてくる醤油とソース。

 貴方は、それらを、全部使い切ってしまいますか?私の場合、どうも残る。

 それらは、袋に入っていますから、おそらくは、"使い切り"が、基本。

 もし、残ったとしても、捨ててくれという事でしょう。でも、もったいない。

 私は、チョッと考えました・・・

 別容器を用意し、残った醤油とソースを、それぞれの容器に、移し替える。

 ある程度、溜まれば、店の人に言って、醤油とソースは、遠慮すればよい。

 袋から出すよりも、容器からの方が、適度な量を、調節することが可能。

 まさに・・・

 無駄を省き、自分好みの調味で、弁当を食すことが出来、一石二鳥である。

 「エコ」という大上段の視点よりも、身近な生活から、見直す視点が大切。

「大野病院事件」から見えてくるものとは・・・

 医療界を、揺るがせていたこの事件に、先頃、「無罪」という判決が出た。

 「大野病院事件」とは(事故調査委員会報告書より)・・・
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 日時:2004年12月17日
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 場所:福島県大熊町 県立大野病院
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 当事者:執刀医 加藤 克彦 産婦人科専門医

     助手  外科医

     麻酔医 麻酔科専門医

     看護師 4名(のち5名)
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 事故原因:帝王切開の手術中、「癒着胎盤」の剥離による出血性ショックに、

      陥り、輸液が不足し、循環血液量が減少し、心筋の虚血性変化が、

      起こり、心室性不整脈を起こし、死亡に至ったと、考えられる。
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 この事故によって、赤ちゃんは助かったが、母親は亡くなってしまった。

 事故の約1ヶ月後、県により「県立大野病院医療事故調査委員会」を設置。

 2005年3月30日、事故調査委員会が、「医療ミス」との報告書を公表。

 これによって・・・

 県は、遺族に、謝罪し、福島県警は、「医療事件」として、捜査を開始する。
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 *こんな件で、警察の捜査云々を指摘している医療関係者も多いが、県から
  任命された事故調査委員会により、こんな報告書を出されたら、捜査しな
  い訳には、いかないでしょうが。
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 2006年2月18日、県警富岡署が、加藤克彦・産婦人科専門医を、逮捕。
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 ●子宮に癒着した胎盤を剥がす(剥離)を、無理に継続し、大量出血で、
  死亡させたという理由による業務上過失致死。
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  *加藤氏の弁明は「出血、血圧、脈拍全て安定していたので、中断しよう
           とは思わなかった。完了すると、子宮収縮による止血
           効果があり、それにも期待していた」
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 ●「異状死」については、24時間以内に、警察に届けるよう義務付けた
  医師法21条違反。
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 2006年3月10日、福島地検が、加藤被告を、起訴。

 「県立大野病院医療事故調査委員会」の指摘している点
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 ■術前診断の超音波(エコー)検査により、「前置胎盤」であることが判明。
  よって、「帝王切開術」を選択したことは、妥当。
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  *「前置胎盤」=子宮にある赤ちゃんの出口を、胎盤が覆ってしまう状態
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 ■数回に渡り、「帝王切開術」による輸血の可能性、子宮摘出の可能性につ
  いて、妊婦と夫に対して、説明している。出血予防の点からも、手術時期
  は、妥当である。

 ■術前診断、かつ、妊婦の希望により、大野病院で、手術を行った。
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  *現に、加藤医師の元で、出産した女性の中には、
   「説明が分かりやすい先生だったので、良かった」という人も。
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 ■結果として、「癒着胎盤」の認識が足りなかったため、準備血液が不足。

 ■胎児娩出までは、問題なし。

 ■子宮下部は、剥離困難なため、クーパー(手術用ハサミ)を、用いて剥離。
  本来であれば、剥離困難な時点で、「癒着胎盤」と、考えるべき。

 ■妊婦は20歳代(当時29歳)と年齢も若く、子宮温存の希望があったため、
  子宮摘出の判断に、遅れが生じたと、考えられる。

 ■胎盤剥離後までには、約5000mlの出血、血圧の低下。その後に、脈拍数の
  著しい増加が持続。輸血後にも頻脈のまま。いわゆる出血性ショック状態。

 ■止血のための操作は行っているが、いかんせん、人手不足のために、輸液、
  循環血液の確保などが、ままならない状況であった。

 ■子宮摘出を考えた時期には、全身状態は悪く、止血を図りながら、血液到
  着を待たねば、手術が進められない状態。準備血液の不足、血液発注遅れ。

 ■子宮摘出術式に、問題はなかった。

 ■手術中に、大量出血した時点、子宮摘出を判断した時点において、家族に、
  対する説明が、なされていなかった。
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 これらを踏まえて、事故調査委員会は・・・
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 「事故の要因」として、次の3点を挙げている。
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  1.「癒着胎盤」の無理な剥離

  2. 対応する医師の不足

  3. 輸血対応の遅れ
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 この事故を起訴したことによる医療界の反応・・・
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 ●日本医学会、日本産婦人科学会、各県の医師会など100を超える団体が、
  相次いで、抗議声明を、発表した。

 ●今回のケースで、有罪となれば、リスクの高い産科や、救急医療から、
  医師は、次々と、撤退する。

 ●地域医療の崩壊が叫ばれる中、厚労省では、警察に代わる医療事故の専門
  調査機関「医療版事故調」の創設に、乗り出す。
  http://www.unlimit517.co.jp/ana262.htm

 ●お産の休止や、取扱件数の制限を決めたのは、24都府県の計77施設。

 ●大野病院同様、産科医師が1人の病院は、全国平均で、14%。
  今回の事件以降、リスクを避け、深刻な症状でなくても、大病院に任せて
  しまう「萎縮診療」や「防衛診療」が、増加。

 ●調査委員会が指摘したような分娩での準備不足を、後で突かれないように、
  検査を多用し、医療費がかさむ「過剰診療」などの弊害も、表面化。

 ●長時間・不規則勤務や、訴訟リスクがある産科を嫌い、
  婦人科だけの開業医が増えている。
  http://www.unlimit517.co.jp/ana99.htm

 ●事件のきっかけに、医療が崩壊したような論調も強まった。現に、亡くな
  った女性の父親は、「脅威まで感じた」と、切実に語っている。
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 一方、法曹界からの苦言も・・・
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 ■産科医が1人しかいないからこそ、重症化に備え、事前に、あらゆる状況
  を想定し、対処法を、患者に説明して、同意を得る必要があった。

 ■産科医が1人の病院と、大病院の連携や、役割分担を、明確にすべき。
───────────────────────────────────

 それぞれの業界で、様々な意見があるだろう。どちらにしても、良い方向へ。

 判決は、次のように、出た・・・
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 ★剥離を継続して、子宮収縮を期待することが、標準的な医療措置で、中止
  して、子宮を摘出することが、標準だとは、認められない。

 ★「癒着胎盤」と認識した時点で、大量出血の予見可能性は、あった。

 ★診察中の疾病による患者の死亡は、「異状」の要件を欠く。
  過失のない診療行為の結果で、「異状死」に、当たらない。
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  *今までは、この解釈が曖昧だったようだ。そのため、現場の医師が、
   混乱し、必要以上に、警察に届け出していた。今回の判決によって、
   診療中の病気で死亡した場合、「異状死」には当たらないというガイド
   ラインが、出来たことになる。

   しかし、それによって、診療が疎かになることは、あってはならない。
   今以上に、医者は、勉強しなければならないし、患者やその家族とも、
   コミュニケーションを、もっと密にして行かなければならない。
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 この判決によって・・・
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 公判中、休職していた加藤克彦・産婦人科専門医は、「無罪」となった。
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 それにしても、私が・・・

 今回の事件中で、一番真実をついていると思ったのは、次のコメントである。
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 「最初から、知りたかったのは、真実。病院で、何が起きたかだけを、追及
  してきた。公判を通じ、知らされなかったことの一部が分かった」
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 このコメントは、言うまでもなく、亡くなった女性の父親のものだ。

 いくら、最愛の娘のためだとはいえ、「大医療界」を、敵に回しての裁判は、

 大変だっただろうし、心労も如何ばかりなものだったかと、ご心中を察する。

 前にも書いたが、医師にとっては・・・

 大勢の患者の中の一人であっても、家族には、かけがえのない一人なのだ。

 そのことを、医師や、医療スタッフは、常に、忘れないでいただきたい。

 だからこそ・・・

 手術前であっても、手術中であっても、手術後であっても、家族に対して、

 その都度、重要なことは、コミュニケーションしていかなければならない。

 もしかして、加藤医師は、どこかで、このコミュニケーションの手抜きが、

 あった。それは、指摘されたように、手術中だったかも知れないし、

 もっと、家族に対しての説明が、必要とされた手術後だったかも知れない。

 いや・・・

 加藤医師だけではなく、世の医師の殆どが、コミュニケーション不足だろう。

 だからこそ、それに納得出来ない家族らが、訴訟を、起こすしかないのだ。

 だって、真実を知るためには、今は、訴訟くらいしか、手がないでしょうが。

 よって・・・

 「医療ミス」や「医療過誤」訴訟を起こされるのが、恐いからじゃなく、

 医師は、もう少し、自分のしている診療を、患者や家族に伝える義務がある。

 同時に、患者や家族も、医師ばかりに頼ることなく、それを聞く義務がある。

 両方向が・・・

 キチッと機能することによって「インフォームド・コンセント」と言われ、

 説明によって、お互いが理解し合う"納得診療"が、成り立ってくるのである。

 今はただ上辺だけの「インフォームド・コンセント」が、一人歩き状態。

 英語じゃ意思が伝わらないなら、いっそのこと「納得診療」にしたらどう?

 ここは、日本なんだから・・・

 わざわざ、英語使わなくても良いでしょうよ。高齢者も、多いことだし。

 英語って、何か、物事を誤魔化す時や、曖昧にする時に、使う場合が多い。

 この際・・・

 コミュニケーションも止めて、「意思疎通」による「納得診療」でいいよ。

 チョッと脱線したけど、今回の事件だって、「意思疎通」による「納得診療」

 が出来ていたならば、何も、裁判沙汰にまで、ならなかったかも知れないよ。

 医療技術も大事だけど、一番は、患者や家族に対する配慮だと思うけどなぁ。

 その後・・・

 この判決を受けて、検察側は、「大野病院事件」の控訴を、断念しました。

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