毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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『早熟の天才』をある日、
奪っていったそんな現代病2
〜若くして、ススキノのママになった
女性を襲った"パニック症候群"



【前回→】http://www.unlimit517.co.jp/medi98.htm

 2003年12月、ススキノは一番の「書入れ時」を迎えていた・・・。

【12種類の薬を服用】

 Zの病気が良くなる事はなかった。私も従業員2人も、忙しくなる12月と
いう季節に一縷の望みを抱いていたのだが、それも叶わぬ願いとなってしまっ
ていた。

 それなりにママらしく振る舞う時もあったのだが、長くは続かなかった。

 現在、服用している薬は既に「12種類」を数えていた。彼女が通院してい
た病院の医師も薬の数を減らそうと試みたが、結局はZが減らした薬を「不安
発作の原因」としてしまうため、残念ながら、その数は減少しなかった。

 Zの事情を知らない客は「ママのくせに…」などと彼女に聞こえるかの如く
に詰っていたりした。病気の事もあるが、そういう言動も彼女に相当のストレ
スを与えたのは間違いない。

 従業員のMとKは最初の内、彼女をかばおうとしたがもう精神と肉体はその
気持ちについて行けなくなっていた。その疲労は数ヶ月前の何十倍にもなって
いたのだ。

【3人で行動しなくなる】

 Zがこうなる前、MとKを含めた3人は、仲良く同じタクシーで帰宅し、休
日なども一緒に行動することがたびたびあった。それが今では、一緒にも帰ら
ないし、もちろんプライベートをお互いに過ごす事もない。

 Mの悲痛な言葉が、今でも耳に残っています。

   「パニック症候群って、何?私達どうすればいいの??」

 MもKも常連さんを中心として、Zの悪口をかなり聞かされたようです。私
も店がはねると2人の「愚痴」をいつも聞かされる事になりました。

 それでも・・・

   「まあ、それで少しは気が収まるならいいや」と思っていました。

 12月の中旬から年末に掛けては、私自身も忙しさにかまけて、Zの事は忘
れていました。それよりもZ本人はほとんど店に出て来なくなっていました。

 年末、営業最終日を迎え・・・

 従業員MとKは「これでやっと年を越せる」と揃って、アルコールと疲れが
入り交じったような複雑な表情をしていました。

【年越し後、事態は急変を告げる】

 Mは既に覚悟を決めていた。「もう、精神的にも体的にもダメ」Kも決断は
しなかったが、かなり追いつめられていることは間違いなかった。

 彼女は5月一杯で辞める事を決意した。Kもそう長くは勤められないだろう。

 身内でも、Zの事をある意味「見放した」のだ。友達であっても、他人であ
る彼女達にこれ以上、仕事を強要は出来ないであろう。

 ただ、Mが辞める事を伝えても、Zには彼女の本当の気持ちが分からなかっ
たらしい。これは、後になって、Mから聞いたことだ。

 でも、病気だから、Mも、まともにZを責める訳には行かないのだ。

【明日が見えない"パニック症候群"治療】

 この病気「パニック症候群」は、二人一組ぐらいの固い絆でなければなかな
か完治しないのではないだろうか。それでも、支える方の努力も相当大変であ
る。

「愛の力」…そんな、浮ついた言葉だけでは簡単に片付けられない深い心理的
な要素をたくさんこの現代病は内在している。

 下のような「奇行」も間違いなく病気によって、発せられている。また、奇
行だけじゃなく『不安発作』もいつ出るかは、医者でも分からないのだ。

 現状は、医者が、手探りで薬を組み合わせ、それを患者が飲んでいるという
図式なのである。インターネット上に「治癒したという情報」はたくさんある
が、その人と全く同じ薬や生活態度を取ったとしても、治る保証はない。

 逆に悪化してしまい、こんな精神状態ではネット上の相手を「逆恨みする」
可能性すらあるのである。ただ、効果があるとすれば「パニック症候群」とい
う病気に悩んでいるのは自分だけじゃないと認識する事くらいだ。

【今、思い出してみると…】

 そう言えば、思い出してみると「彼女の奇行」だと考えられる事があった。

(最初のコラムに記した通り、本来のZからこんな無責任な行動は考えられない)

[それを箇条書きにして記してみると・・・]

1.1年間に「ロングコート・チワワ」を4匹飼うことになった。2匹目が♀
  だったのだが、1週間後、原因不明の病気で亡くなってしまう。それが
 「トラウマ」になり、後は寂しさと成り行きで2匹飼ってしまった。

2.1の件から、「ブリーダー」になると言い出す。インターネットなどの情
  報を手当たり次第、探し出す。更に犬を増やそうとする素振りも。

3.あるアイドルYの追っかけに走る。突然、店を休んで。全国行脚。

4.あまりに常軌を逸した行動や言動が多くなったため、ある援助者から手を
  切られる。

5.自分の心の拠り所を、定職もない自称ヤクザでパチプロの男と同棲を始め
  る。生きる事に投げやりになっている態度を示すようになる。

6.従業員との慰安旅行を無理矢理計画し、それを利用し、5の男も一緒に連
  れて行く。MとKは、Zの余りにも身勝手な振る舞いに憤っていた。

7.以前は、仲の悪かった父親と密に連絡を取るようになり、逆に、仲の非常
  に良かった母親とは「戸籍上も、縁を切った」(その後、復縁している)。

8.ほとんど目的もなく、思い付きで「有限会社」設立 etc…。

 ただ「接客業で夜の商売」という条件は、この病気を根治させるにはあまり
良くない条件なので、Zも本当に苦しんでいた事だけは想像に難くありません。
元来が、頭の回転が良く、人当たりも良かったので尚更そう思います。

【現在は・・・】

 Zは、今、友人に店を譲り、ここで働いていた女性2人も既にバラバラの日
常生活を歩んでいます。Zの病気が少しでも良い方向に行き、2人も幸せな生
活をしていれば…と祈るばかりです。

 お互いに友達だっただけに悩み、友達だけに最後まで信じようと努力をして
いました。

      「それでも、乗り越えられない壁があるのか・・・」

『パニック症候群、それはもう貴方の足下に忍び寄っているのかもしれません』

        ***これは現実にあった話です***


*(再掲)《MEMO.0032》不安神経症(パニック症候群・パニック障害)[概略]

理由もなく(確定出来ない場合も)「突然、激しい不安」に襲われる症状の総称。

 不安に襲われるものの対象となっているものがないため「不安感は身に迫る
恐怖感」というようなものになりやすい。不安に襲われることで、様々な身体
症状が起こるが、体のどこかに異常があるわけではない。

 この"不安発作"を繰り返すことを「不安神経症」と呼ぶ。

 そして、"不安発作"を起こすことによって"不安発作"を起こすのではないか
と不安になることを「予期不安」という。

 この「不安発作」を食い止める事が"パニック症候群"では一番難しい治療と
されています。これをうまくコントロール出来ない限り、通常の社会生活を営
んで行くのはなかなか困難なものになっていきます。

*この病気は複雑な要因が絡まり合い、決して、簡単には説明出来ないのです
 が、概略だけでも分かっていただきたかったので、敢えて記述しました。


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