毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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猛吹雪の日に逝ったアイツ・・・1
〜突然、愛犬を襲った"インスリノーマ"の恐怖


 「全然気が付かなかった・・・」"インスリノーマ"っていったい何だ!?

【ある日、突然…】

 今年1月、約10年間に渡って、私の気持ちを癒し続けてくれた「愛犬ミル
ク」が雪国・札幌でも珍しい様な猛吹雪に中、逝ってしまった。

 本当に突然の死であった。顕著に病気の症状を示してからわずか3日で私の
手の届かない遠い所に行ってしまった。

 前日までは、いつも通り、散歩に出掛け、えさもたくさん食べ、非常に元気
だと私の目には見えた。ベッドで10年間ずっと一緒に寝ていたのでその夜も
同じようにしていた。

 朝、起きるとミルクの具合がちょっとおかしい。「どうしたのかな?」ぐた
〜っと床に座ったまま、じっとしていたのである。普通ならば、下に降りてい
ても私が起きようとするとジャンプしてベッドに上がってくるはずなのに…。

 それでも数は少ないが今までもそういう事があったので「仕事から戻ったら
、元気になっているだろう」と高を括って、出社した。

   この考えが甘かった事を会社から戻った時に目撃する・・・。

【急いで往診→動物病院に駆け込む】

 帰宅して、直ぐにミルクを観た。「いない?」「どこに行った??」焦る。

 彼は朝よりずっと状態が悪くなり、脱衣所の床に横たわっていた。無理に抱
こうとして、身体をちょっと触ると「断末魔の鳴き声」をあげる。「これはた
だ事ではない」こんな酷い状態になって、私は初めて気が付いた。

 直ぐに"イエローページ"を開いた。往診専門で札幌市内なら24時間やって
いる「アニマルレスキュー」に電話した。取り敢えず、電話で症状を話し、2
時間くらいで先生は到着した。

 到着して、直ぐに診察に入った沢田先生は聴診器で心音を確かめた後、抗生
物質を投与し、ブドウ糖を点滴してくれた。ただ、病気については[血液検査]
をしてみないと分からないという。これが"ペット救急医療"の限界なんだなと
思った。

 既に時間は午後8時30分。「こんな時間にもう動物病院はやっていないだ
ろう?」と考えながら、もう一度"イエローページ"を少し焦り気味で見ていた。

         「あったぁ〜〜〜〜〜!!!」

 夜10時まで夜間緊急診療をしている所があったのだ。それは下記URL
「石山通り動物病院(南17条本院)」である。私は毛布に包んだミルクを車の
後部座席に置き、前も殆ど見えないような猛吹雪に中、車を走らせた。

 通常ならば、10分ほどで着く距離が30分くらいかかってやっと到着した
。私は相当気が急いた運転をしていたのだろう。着いた時、ミルクは後部座席
のフットレストの所に落ちていた。

【応急処置後、体力回復を願って】

 その日の当番であった川村先生に家で往診を頼んだ事、病状や最近の健康状
態などを説明した。手早く応急処置をしながら、先生は私の説明に対して、的
確な質問を交わしていた。

  「やはり、血液検査をしてみないとはっきり分かりませんねぇ!?」

  「ただ、かなり身体が衰弱しているのでこのままでは検査に耐えられない
   と思います」

 この後もはっきりとしかも分かりやすく、川村先生は私に「インフォームド
・コンセント」をしてくれた。また、

 「これ以上、体力が回復しないと…覚悟はしておいた方が良いと思います」

 その言葉は聞きたくなかったが、獣医師としては当然の言葉だろう。

 私はミルクの手を取り、体を撫で「頑張るんだぞ!」と励まして、川村先生
を信頼し、全ての可能な限りの治療をお願いして、病院を後にした。

        外は相変わらず、猛吹雪のままであった。

 だが、この時はまだ「ミルクは元気になって、家に帰ってくるはずだ」と疑
うことなく、100%信じていた・・・。

        
       〜ちょっと長くなるので来週に続きます〜
       http://www.unlimit517.co.jp/medi92.htm

{大変お世話になった}

*札幌・石山通り動物病院 http://homepage3.nifty.com/ishiyama-dori/


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